開発期間約3年半、ALDENのモディファイドラストを彷彿とさせる奇跡のスニーカー 1994年パリにてピエール氏によってスタート「ANATOMICA(アナトミカ) PARIS」。
ピエール氏は現代のセレクトショップの源となったショップ「GLOBE」とその延長上に「HEMISPHERE」を作った後に、 これまでの既成概念を打ち破りスタートしたのが、このANATOMICA。
その後、2008年にピエール氏と日本のアパレル界を代表する寺本氏が運命の出会いを果たす。
きっかけは、寺本氏がデザインしたサイドシームの無いデニムパンツ。
そのデニムパンツにピエール氏が感銘を受け、以降は寺本氏がデザインを、ピエール氏がディレクションを担当することに。
固定概念にとらわれず、フィッティングを重要視した普遍的で上質なものを作るために試着を繰り返し、 ミリ単位で修正を加え、生まれたのがANATOMICAのスタイル。
そこから生まれるのは、めまぐるしく変化するトレンドを重視したファッションとは異なる、何年にもわたってその価値を実感できるアイテムたち。
そんなANATOMICAの定番のスニーカーと言えば、WAKOUWA(ワクワ)のデッキシューズ。
2009年にリリースされたWAKOUWAは、完成までに約3年半もの月日を費やしている。
目標としたのは、1944年製の米軍で支給されていた通称バナナデッキ。
なぜ、それほどの月日を要したのか。
その答えを紐解く鍵がシューズの形状を決定する木型(LAST)にあります。
WAKOUWAのデッキシューズはいわゆる「インサイドストレート・アウトサイドカーブ」。
この形を作る上で参考にされたのが、1912年にマンソン博士が書き上げた“The Soldier’s Foot and the Military Shoe”という文献。
彼がワシントンの陸軍学校の教授だったころ、4年という歳月をかけ約2,000人の兵士の足を調査。
数千足の靴のフィッティングについて研究し、理想的なシューズの木型が完成させます。
その木型は「マンソン・ラスト」と呼ばれ、今でも一部のミリタリーブーツに採用されているのですが、その全てを記したのがこの文献でした。
マンソン・ラストとはどのような木型かというと、つま先の中心から親指にかけて大きく膨らんだもの。
そのポイントは、足先を締め付けずに足を固定すること。
だから、WAKOUWAのデッキシューズも土踏まずの部分が足の裏と同じようグググっとえぐれているし、 足先は捨て寸を残してゆったりした作りになっている。
これにより、足は土踏まずで固定され足指はストレスから解放される。
驚くほどクッション性を兼ね備えたインソールと相まって、まるでオーダーメイドシューズの様なフィット感を生み出します。
この形状は、これまたANATOMICAの中心的アイテムであるALDEN(オールデン)のモディファイドラストに非常に似ていると言われています。
この複雑な木型は、完成したは良いものの実際に製品にするのがとっても難しい。
アメリカ生まれのバナナデッキを目指したこのデッキシューズの生産を可能にしたのは、 実は、日本が誇る“ヴァルカナイズド製法”でした。
ヴァルカナイズド製法は、本体とソールの間にゴムをはさみ固めることによって接着させる方法。
ゴムそのものでくっついているので、とにかくはがれにくい! もちろん、それだけではなくアッパーとソールが一体化しているので、滑らかな足の動きにもついてきてくれるんです。
古くから伝わるこの製法も大量生産が主流の現代では手間のかかる希少な製法に。
だから、スニーカーファンならヴァルカナイズド製法というだけでビビっつときてしまいます。
ソールはピエール氏が最も愛したスニーカーであるTOP SIDER(トップサイダー)をモチーフとしたもの。
船員が濡れている甲板でも滑らない様にと、柔らかなゴムにたくさんの波の様な切れ目が入っています。
これにより、滑らかな反り返りと滑りにくさを実現。
私たちも日ごろから履いているのですが、雨の日のコンビニも意外と滑りにくいんです。
ローカットはシンプルさとカジュアルな履きやすさが魅力。
どんなボトムにも合わせやすい、ヘビロテ間違いなしのシューズです。
素材/コットン100% 原産国/MADE IN TAIWAN ブランド WAKOUWA(ワクワ) カテゴリ メンズ靴 レディース靴